マイアミとキューバ

マイアミとはキューバです。

そんくらいキューバ人が多いです。

リトルハバナっていうキューバ人街もあるし、

街のそこここにスペイン語の表記があって

地元民もみーんなスペイン語を話します。

だいたい今までの人生でキューバ人なんか会ったこともなかったのに

ここにはすげえいます。

 

なぜキューバ人が多いのか、その元をたどればキューバ革命まで遡ります。

そう、世界史で習ったあのキューバ革命。

野球大好きなカストロ議長(議長ってなんの?)が率いたキューバ革命。

Tシャツ界を席巻しているチェ・ゲバラさんが大活躍したキューバ革命。

 

1959年だかにキューバに革命が成就しましたが、

そのとき社会主義を嫌った多数のキューバ人がアメリカに

亡命してきたのが始まりで、キューバに近いマイアミが

亡命先として好まれたっつーわけです。

 

こうした経緯はネタになりやすいみたいで、

「共産主義者はキューバに残って、ゲイはマイアミに来た」とか

「キューバ人は共産主義者だから全然働かない」とか

なかなかブラックユーモア溢れるジョークもたまに耳にします。

 

そんなキューバですが、近頃アメリカがキューバと国交を回復するのでは、

という報道が流れました。

そうなりゃもう歴史的大事件ですよ。

 

このタイミングでマイアミにいるっていうのも、

なんというかめぐり合わせだなあとも思うわけですが、



これ、どう考えてもかなりデリケートな問題ですよね・・・・。

 

うちのスタッフにもキューバ出身者はたくさんいます。

赴任当初、そのうちの一人の女の子と話す機会がありました。

まともに話すのはそのときが初めてだったのに、

その子は僕になかなか開けっぴろげに

プライベートなことを話してくれました。

20代半ばのその子は10代半ばでキューバから移住してきたこと、

若いときに結婚して子供を生んで今は離婚していること、

だからシングルマザーとして子育てをしていること、

そしてキューバに残してきた家族とは年に一回しか会えないこと。



こちらに来るまで全然知らなかったんですけど、

キューバ出身者には年に一回だけキューバへの渡航が認められているそうです。

国交はないのに渡航できるんですねー。

 

そして、マイアミには彼女のような人がほんとにたくさんいるわけです。

もし国交が回復すれば、自由に家族に会える。



・・どう考えてもデリケートな問題でしょ・・。

 

彼らと彼らの家族が今まで辿ってきた歴史、

祖国への想い。

 

普段のTHE・ラテンなノリからはなかなか想像できませんが、

やっぱり彼らのなかには複雑な感情があるわけで。

 

あくまでも完全な部外者として、当事者だらけのマイアミのなかで

事態の推移をそっと見守りるつもりです。